MAKE IT LAST 長沼氏 「LOWER EAST SIDE TOKYO ep」release interview



2013年SOUL DISCHARGEと共に国内OLD SCHOOLバンドを小岩BUSHBASHに召集して行われた「MAINTAIN」にてOLD SCHOOLシーンに大きなインパクトをあたえたMAKE IT LAST。
「LOWER EAST SIDE TOKYO ep」と題された今作は下町コネクションはもとより全国の仲間と「人」して繋がっている事が感じられる。
独特の世界観を打ち出すリリックを生み出すフロントマンの長沼氏にインタビューを試みた。

「影響は受けるけどオレは違うベクトルで芸術を追い求めてる」
「妬みとか嫉妬って凄いつまんないなって」

●スタート
-MAKE IT LASTはどのようにスタートしたのでしょうか?

長沼:始めたのは26歳の時。ずっとやりたいとは思ってたけど、中々形にならなくて。

-お客さんの立場でHARDCOREのライブを見ていた期間が長かったと思うんですが、どんな事を考えてましたか?

長沼:いつかは自分がやりたいと思ってたんでボーカリストの研究癖はついてました。
だから大学のサークルでノーチョイ(NO CHOICE IN THE MATTER)・サイレンス(SILENCE KILLS THE REVOLUTION)のコピーとかやってた時はモノマネ状態で。笑

今はユーキ君(SOUL DISCHARGE)とか田部君(nervous light of sunday/SOUL DISCHARGE)とか普通に話せるんでやってた側の視点で当時の話を聞けるのは凄い楽しいし面白いですね。

-MAKE IT LASTの初ライブはどのように?

長沼:HORROW INSIDEの初ライブで呼んでもらってですね。HORROW INSIDEはINSIDE、FALLING APART、TRAGIC FILM、AS IT ISなどのメンバーが在籍してたバンドです。

-どうでしたか?

長沼:人前に出るのはサークルでもやってたからそんなに緊張しなかったです。
軽く一杯飲んでやったんだけど結構調子良くて今でもそんな感じで一杯飲んでやってますね。

あと梅川さんいない時代のgordon ivy & the jaybirdsと横浜のSECOND HEARTSも出てました。
COS(COUNT OF STRENGTH)が凄い盛り上がってチクショウ!って思った。笑



●LOWER EAST SIDE TOKYO EP
-では今回の音源「LOWER EAST SIDE TOKYO EP」ですが、どんな仕上がりでしょうか?

長沼:今やれる事を全部出し尽くしたって感じです。

-影響下はどのようなバンド?

長沼:一貫してスカンジナビア系の音。SECTION 8、OUTLAST、ENDSTAND、HIGH SCORE、MAIN STRIKE辺り。出来る事がそれしかないっていうのもあります。。

-歌詞が日本語ですがこだわりはありますか?

長沼:重要視しているのは感情がどう乗るかだから英語で感情が乗るのであれば英語でも良いと思ってます。
歌詞としては言葉が入った時に頭の中でドンって膨らむ感じが面白いと思う。
日本語RAPにも繋がるんだけど。言葉がインスピレーションで続いて行く感じ。

内容は堅苦しい事は無しにしようっていうのは意識して
かつ口語になりすぎないように気を付けました。
読んでも聞いても楽しい。かつ歌っても楽しいってなる様に。

-DEMOの時から「財宝の眠る土地」など特徴的な歌詞でしたが書き方は変わりましたか?

長沼:変わりましたね。書けなくなってました。

-どのように書けるようになったのでしょうか?

長沼:生活そのものをリリック書くモードにして
日常の事でもトピック見つけたり言葉を創るのを意識してました。
遊ぶ時間も減らして。それやったら向き合えるようになって集中出来ました。

-では今作は苦心の作品と言えますか?

長沼:そうですね。アタマイカレになってイヤになってた時もあるし。笑
4曲目は一番最後に出来たんだけど、トピックが見つからなくて。
それは何でなんだろう?って凄い考えて。

バンドなんてやらなければこんな苦しい思いはしない。
じゃあ何でバンドやってんだろうオレ?って。
それは楽しいからだって。

そう考えているうちに書かなきゃいけない事を書こうってなって行けました。



-任侠映画の世界観も感じられます

長沼:2曲目SE入れたヤツなんですけど「県警対組織暴力」が凄い好きで。
結構、絶望的な終わり方してて食らったので。
任侠映画全般に言える事は何かに属すとそれを超えられないっていう事で、
使われるだけでサクセスストーリーはない。上がバカだとバカに従うしかないっていう点です。

-組織暴力を感じる時はありますか?

長沼:最初の2行がそれを表していて

「ありふれている日常が 神格化されて目に映る」
初めて会った人とか地方の友達とかに下町の話するとその話「ヤバいね!」みたいな感じになるんだけど
オレとか遠導(Ratchild)とかシンペー(Ratchild)とかシン(EASEL)にしてみれば飲んでる時にバンドの方向性とか音楽についての深い話、前向きなアツい事を話するのは普通の事で。
でも意外と世の中的にはそういう話ってしないんだなって思って、もしかしたら自分は凄い組織の一員なのかもと思いました。

「あり得ない非日常が 組織化されて目に映る」
これはどう思われてもいいよっていう自分なりの決意表明です。
下町で遊んでて、その延長線上でやってるんでしょって思われてもオレ的には別に問題ない。

ただ、オレがやってきて思うのは「飛び込む勇気の無いヤツは結局何も変えられない」と言う事。
飛び込んでみて、それから言えよっていうのは自分にも言い聞かせてます。
下町で遊んで一緒にイベントやれたりするのは凄い面白いです。

-三ノ輪でやったイベント「85A」ですか?

長沼:アレもそうだし今回7"サイズのジャケもやるんですけど中にポストカード入れてて
浅草の絵描きのESOWさんにお願いして。それも飛び込んで出来るようになった事だから。

-キッカケは八古屋?

長沼:そうですね。浅草の地下街にフウライ堂っていうお店があって。
そこの並びのいづみやっていう呑み屋で同席して話させてもらって。

浅草地下街は今年の1月で閉店しちゃったんですけど5 HOURS RECORDっていうレコ屋もあって
浅草で活動だけしている人、じゃなくてリアルに浅草が地元の人達がいて。美味い飯屋とか教えてもらってます。

お世話になってるMAS aka SENJU-FRESH!!さんのリリパもその浅草の地下街でやって人も凄い沢山来て賑わってましたね。



-ボーナストラック「屍を超えて」にfeatされている方々は?

長沼:DJのSIDE ONEは完全に八古屋のつながりで。同い年って事もあって一気に仲良くなりました。
ラップはVANADIAN EFFECT(VLUTENT RECORDS)のpiz?です。遠導(Ratchild)とpiz?がたまたま再会したのが八古屋らしくて。
そのつながりで仲良くなってfeat入れました。二人は一緒にHENってイベントやってます。

あとはユーキ君(SOUL DISCHARGE)とサトマン(BROKEN RUST)にゲストVoやってもらいました。
サトマンパートはコーラスも福岡の人達がやってくれて。

個人的にfeatって面白いんで好きなんですね。(VA)EXPRESS OUR WILLのTHIRD WISHでの福田さん(NO CHOICE IN THIS MATTER)パートが凄いカッコいいです。
あと勿論AND BELIEVEやENSLAVEでやってる際の岡村さんも!



-3/23のレセプションパーティはどのような形で行うのでしょうか?

長沼:弾き語りでAND BELIEVEの川口くん。あとDJです。ENSLAVEの菅沼君にもやってもらうつもりが、
川口君との弾き語りに入ることになったらしいんです。笑
74のデュオ(名無しのデュオの意味)って名義で。あとVELOCITYの坂本さんも出て場所は八古屋です。

-アイディアはどこから?

長沼:グラフィティライターの友達が増えてきて、個展とかやるじゃないですか。
それでレセプションパーティーやってるんで思い浮かびましたね。



-ジャケットはTA96氏(AND BELIEVE)の手によるモノとの事ですが

長沼:そうですね。でもそれは限定JKTなんで欲しい人はMAKE IT LASTのライブか八古屋に来てもらえればと。
書くにあたってTA96がインスピレーションを受けるために下町(北千住)に来たいって言ってわざわざ来てくれて。

-八古屋へ行ったんですか?

長沼:八古屋は丁度休みだったんだけど、近くにある同級生の実家が神社でそこ行ったり
オレが生まれた時からずっと食ってるもんじゃの今井っていう凄い美味いところがあって行きました。
70歳くらいのおじいちゃんとおばあちゃんがやってるトコなんだけど、美味しくて更に酒がすごい濃い。

あと駅前に永見っていう古い居酒屋があって
アキオ(Dr)とかMAKE IT LASTのメンバーとかシンとかと行きました。
最後TA96とアキオが音楽の話で熱くなり過ぎて言い合いになってて、その後二人で号泣してました。笑

千住ってTA96が住んでる秩父と似てるからTA96にも楽しんでもらえると思ってました。
でも楽しみ過ぎてインスピレーションは浮かんだらしいんだけど紙のサイズとか事務的な事は全部忘れてたましたね。笑



●ライブ
-ライブで印象的だった事は?

長沼:ライブって聞いて思い浮かぶのは去年出れなかったOLYMPIC 2013。
直近のライブは2.22 ALL AGES HARDCOREでそれは出れて嬉しかった。

-やってみてどうでしたか?

長沼:実力不足が半分。見てくれる人は見てくれるっていうのが分かって嬉しかったのが半分です。
モンチャンとかテツヤくん(THRH)、クリス(YOUTH ISSUE)とか、その辺はいつも来てくれるけど
KEN ONEさん(ETERNAL B)、SENTAさん(NUMB/ETERNAL B)、菊池さん(DOGGY HOOD$/YOUTH ISSUE/AS WE LET GO/SOUL VICE)
も一番前でガッツリ見てくれてて嬉しかったです。
で、ずっと間が空いて後ろでSIDE BY SIDEのジャケみたいに腕組んでるヤツがいっぱいいて
ポッカリ真ん中が空いてて、立ち位置に象徴されてました。その間をいつか埋めたいなとは感じましたけど。

-前向きですね

長沼:最近下町の人と繋がって変わったのかもしれないけど妬みとか嫉妬って凄いつまんないなって思ってて。
憧れはあるけど人いっぱい入ってるライブとかで「なんでオレらの時はこうじゃないんだよ」って。ソコ妬んでもしょうがないから。
だったら次にどうするか?を考えて行動するしか無いんで。

-理想のライブは?

長沼:ライブそのものについては無くって。そこに関してはやれる事をやるだけ。
あるとすると100人客が来てたら100人打ち上げに出てる位、仲良い人が増えて欲しいなっていうのはあるのかもしれない。
演者としては誰々っぽくっていうのは意識しないですね。TIALAの柿沼さんを見て唯一無二を勉強しました。

-小岩はeM7の時から行ってましたか?

長沼:そうですね。小岩が楽しいなって思ったのはバンドやって無かったのに友達が出来たからで。
ミノルさん(SILENCE KILLS THE REVOLUTION)とオサミ君(SIDE IMPACT)。
この二人はホントに。バンド関係無く人として接してくれて、それは凄い勉強になりましたね。



●下町
-マーチが手ぬぐいだったり和のテイストを感じますが、こだわりがありますか?

長沼:勝手に出てきてるモノです。下町のノリとか意識してなかったんですよ今まで。
でも八古屋で繋がってリアルに下町のヤバさを知って今はその影響が出てるんだと思う。
本当にその筋の超一流の人達ばっかりだから。DJにしてもBMXにしても。絵描きにしても。

-歌詞にもある通り自分には「レペゼンにはまだ早い」?

長沼:本当にそう。100年くらいは早い。笑
でも、影響は受けるけどオレは違うベクトルで芸術を追い求めてる。
それぞれの一流を目指してる人と繋がれてるのは嬉しいですけど。

そういう人達と一緒に三ノ輪でやったライブ(前述の85A)も印象的ですね。
アレはもうモッシュパートとかシンガロングとかの概念の外側で盛り上がる感じで。
前にこのインタビューでAND BELIEVEの川口君が「モッシュは自然発生が一番カッコイイ」って言ってて
それが間違え無いなって思いました。



-下町CREWは名前は無いのでしょうか?

長沼:無いですね。EAST END TOKYOって言ってるのはMAKE IT LASTがそうなだけで。
オレは自分で言葉作るのが好きだから。リリシストだったら有るものじゃなくて
新しいものを創って行く事が重要だと思う。

「EAST END TOKYO ep」でも良かったんだけど
新しい事したかったっていうのがあったのと、あとWARZONE好きに反応してもらえるかなって。
実際にMAKE MENTION(OF SIGHT)のサカイさんも仙台で話したら反応してくれました。

-下町のアツい人を紹介して頂けますか?

長沼:遠導(Ratchild)、シン(EASEL)、FOR LIFEの稲垣はオレが始めたライブ前の前夜祭を引き継いでくれてます。笑
あとモンちゃん。アイツはオレらのストレスのハケ口であんなに太ってるんじゃないかっていう。笑
アイツは全部受け止めてくれるから。ついつい言っちゃいますね。オレらの中では下町のスピリチュアル・アドバイザー。
あとムコヤン(THE TRUTH OF MUSIC主催者)も。救われますねあいつらがいると。

-東京のHARDCOREシーンに思う事はありますか?

長沼:見えてるトコロは繋がってる。変な話ですが対ヒトってなるとこれ以上仲良くなる事も無いと思うから、だったら外に目を向けた方が良いかなって思います。
とは言っても繋がる為に営業的にライブ行くのも違うと思うんですが。

何処かでライブは神聖な場所であって欲しいという気持ちがありますね。
それと同時に生活の一部で会って欲しいという葛藤があって。

-答えは出てない?

長沼:全然出てないですね。4曲目の歌詞にも「問いただす答え見つからぬまま」っていうのもあるんで。
あと最近は掘り下げない方が良いかなって選択肢も出てきて。やりたい事をやり続けるしかないですね。



●最後に
-どんな音源として聞いて欲しいですか?

長沼:人の繋がりのキッカケになって欲しいです。
地方なんかは特に。ツールの一環になったらいいなと。

ポストカード入れてるのは芸術をもっと生活に取り入れたいっていう考えがあって
歌詞を書いている中で「自分にとって豊かな生活とは?」というのを凄い考えて。
それで絵や音楽、リリックなど芸術に触れあっている生活が自分にとって豊かな生活だなって思ったので。

-今後の予定は?

長沼:4.5に福岡に。あと仙台、北海道も行きたいですね。
あと最近考えたらバンドやり始めの頃はLIFETIME STRUGGLEと共同でとか単独で新宿西口音楽館とか
年に何回かは企画やってなって。あの頃の感覚を戻したいなっていうのがあって。
誘ってもらえるのは嬉しいけど、また自分たちで呼ぶライブで打ち出したいっていうのも個人的にはあります。

-プレイしてみたいライブハウスはありますか?

長沼:行った事は無いけどCOUNTER ACTION(札幌)。向こうにTHE WORLD PEACEってバンドが友達でいて
下町はみんな仲良くてこっち来た時に朝まで遊んでたりしてるんですが、
すげーイイ奴らでこっちに住んでるんじゃないかっていうくらい仲良いです。

-そういう友達が多い印象です

長沼:仙台の大竹(THINKALONG)、福岡のサトマン(BROKEN RUST)とか出会うのが遅すぎたねって言ってます。笑
最近はONE STROKEのトールってヤツがいて、みんな繋がってたけどオレは話した事なくてこの間甲府で見て凄いカッコ良くて。
郡山でラジオやってて、オレらの曲も流してもらったんだよね。音楽以外の話も凄い面白いし
毎週月曜21時からなんで是非みんなにも聞いてもらいたい。

-では最後に一言お願いします。

長沼:曲・歌詞・ジャケット、PVなど細かい所にあるあるが詰まってるから追求して聞いて欲しい。サンクスリストの作りもそう。
あとはまだ見た事ない人は遊びに来て欲しいし、そこから横の繋がりも見てもらえれば
東京のHARDCOREが面白くなるって所まで繋がると思し、それが各都市で起これば日本が面白くなると思います。

写真提供:ヒゲノカメラ!

(2014.2.27 at.新宿某居酒屋)





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