Otus / Stand United W release show interview part1
Dr : Yusuke Hayashi(林)
Vo : Yusuke Matsushima(ユウスケ)
Gt : Hirohisa Yamaguchi(山口)
Ba : Hiroyuki Nagasawa(ベンジー)
Ba: Takashi Kawamura(タカシ)
Gt: Tatsunobu Sakuraoka(タツノブ)
Vo: Satsuki Makimura(マキムラ)
(Dr: Tomohiro Sekino)(セキノ)
「俺達が絶対にカッコイイと思ってるHARDCOREに触れる機会を作って行きたいです。」
【4/2について】
--ではよろしくお願いします!まず4/2なんですが両バンドのレコ発になりますか?
Yusuke Hayashi(以下、林):そうですね。去年(2015)の8月にレコードをリリースしたんですが、なかなかレコ発が出来なかったので
少し遅れましたが。で、Otusもリリースが重なったので一緒にやる事になりました。
Yusuke Matsushima(以下、ユウスケ):レーベルもSix Feet Under Records(以下SFU)で同じだしね。
Takashi Kawamura(以下、タカシ):前から一緒にツアー行ってたりもしてたし、このタイミングで2バンドでやったら面白いなと。
はじめはユウスケ(林)から話があって、一緒にやる事になりました。
--スタユナのレコ発としてはちょっと遅めですよね。
ユウスケ:一回目のレコ発を名古屋でやったんでその流れで大阪、東京、あと他でも出来ればと思っていたんですが中々タイミングが合わずに。
林:第一候補は12月にやろうって話もあったんですがね。
ユウスケ:大阪・東京でね。でも山さんのお店(AIN SOPH. ripple)のオープン予定もあって。でも結果的に12月にやらなくてよかったよね。
林:そうですね、僕が入院しちゃったんで。笑
Hirohisa Yamaguchi(以下、山口):昔から(病気)持ってたんだよね?
林:そうですね、腸炎のような感じです。でも結果的に今回4月にやれるので良かったと思います。
--なぜ今回アンチノック(新宿Antiknock)を選んだのでしょうか?
林:よく自分たちもライブをやってるし、観に行ってるというのが大きいですね。
タカシ:東京のHardcoreやってるハコって言ったらやっぱりアンチノックかなって言うのがありますね。
Satsuki Makimura(以下、マキムラ):ホームだと思ってます。
--アンチではどんなライブが印象的でしたか?
タカシ:この2バンドの感じで言うとLoyal To The Grave(以下LTTG)とAs We Let Go(以下AWLG)の2マンがあった時にOAとしてInsideで出ました。それは印象が強いですね。
林:あとはInsideでイベントやったのも大きいですね。
山口:(Insideで)Floorpunchとやったのもそうじゃない?
林:そうですね!あとその日はPunchとStrife、Endzweckも。
ユウスケ:あのライブは大きかったね。
マキムラ:大事なライブはアンチノックっていうのがありますね。ベネフィットSHOWもそうですし。
--亀谷君(Nervous Light Of Sunday)企画ですね
タカシ:地震の直後3.20ですね。あとCode Orange / OtusのJapan Tour初日もアンチで企画させてもらって、それも印象深いです。
Hiroyuki Nagasawa(以下、ベンジー):僕は前やってたCount Of Strength(以下COS)で平日のブッキングでお客さん数人みたいな状況での辛い思い出から解散直前は100人以上きてくれるという環境まで持っていけた、地道な努力が実るという経験がアンチに繋がります。
--アンチノックは現在製作中のOtusのMVにも使われてますよね
タカシ:そうですね。アンチノックが改装してから入口のところにENDさんのアートワークがあって、それがまず凄いカッコイイなと思っていて。
--ドア開けるシーンありますよね
タカシ:ライブハウスに入る時って、みんなそうか分からないですが、オレは凄いドキドキするんです。
緊張する、とかワクワクする、とか。今でも毎回それがあって。そういう部分を表現したいなと。
ベンジー:緊張した話だとアンチノックに初めて行ったとき怪我するんじゃないか、とか思って。
マイナーリーグのライブとか観て「おっかねーなー」って思ったりしましたね。
--ではレコ発という以外にイベントのコンセプトはありますか?
タカシ:地方のバンドも呼ぶんですが「Tokyo Hardcore」っていうのはキーワードですね。個人的にですが。
--メンツはどのような?
林:Die Birth、Numb、Segweiが決定しています。
タカシ:あとRunner(Osaka)と、Lifefocus(Shizuoka)が決定しています。Stand Unitedと半々で呼んでいる感じですね。企画をやるにあたって、柏のBlindsideのVoのタケシと話をしたりしていたんですが、目指しているところが近く、色々と参考にさせてもらいました。
--目指している所といいますと?
タカシ:いま先輩のバンドLTTGやNumbとかが凄く精力的に活動して良い状況を作ってくれてると思うんです。
海外バンドのJAPANツアーも、Alliance TraxやIce Grills、Baxe TourやBowlhead Inc.が精力的に活動しているお陰で沢山あってそこに自分達が呼んでもらえて、それは本当に素晴らしい事なんですがオレらが次の世代でその立場にならないといけない。若い人達を積極的に呼べるような状況にして行きたいよねっていう話です。
--「どんな日にしたいか?」という質問を考えていたんですが今の感じですよね
Tatsunobu Sakuraoka(以下、タツノブ):あとは東京のライブで、RunnerとSegweiのような違ったスタイルのバンドが一緒にやることは少ないと思います。その中で普段自分達が一緒にやってるDie Birthとかを入れてOtusのライブにいつも来てくれている人に他のバンドを観てもらえたらと思ってます。それが意味がある事かなと。
マキムラ:Otusに関しては最近Crystal LakeとかBefore My Life Failsとかより若いお客さんがいるライブでもやらせてもらっていて、好意的に興味を持ってくれるお客さんもいるので。
--どういったお客さんの層なのでしょうか?
タカシ:20歳前後の若い人達が本当に多いですね。
山口:入り口はどこなんだろうね?
マキムラ:ColdrainとかFactとかだと思います。
タカシ:One Ok Rockとかもそうだと思いますよ。そういうラウドなところから自分達なりにDigって、探求してきた人達の目に留まる事があるように思います。
--今挙がったようなメジャーなバンドについてはどう思いますか?
タカシ:メインストリームの音楽は嫌いではないです。考えを持ってやっている人が多いと思うので、そこについてかっこいいと思うし、リスペクトしています。
ただ、僕らが好きなHardcoreもそれと同じかそれ以上に魅力があると思ってます。
その辺を経験してもらう機会が作れたら良いなと。
--「僕らが好きなHardcore」とありましたがメジャーなバンドと自分達は違うと思いますか?
タカシ:音楽性は違うかもしれませんが、人間的な部分や考え方について、そこまで差異があるものだとは思ってないです。
タツノブ:やってる音が違うだけで突き詰め方とかは同じだと思ってます。
例えばライブは振り切ってやるとか僕らは共通認識ですが、その振り切り方のベクトルが違うだけかなと。
タカシ:ミュージシャンシップという部分では本当に尊敬する部分が多いですね。
だから違うというよりは自分達がそのレベルに行かないと、と思ってます。
マキムラ:やるからには沢山に人に見てもらいたいですからね。誰でもHardcoreの入り口になったバンドがいると思うので、自分達もそうなれたら良いなと思います。
タツノブ:大きいハコでやりたいとか、漠然と売れたいとかでは無く自分たちの思う完成形を大箱でも小箱でも表現したいというのはありますね。
タカシ:自分達のスタイルは周りの状況に合わせて変えたくないと思っていて。ただ、そういう自分達が好きなスタイル、Hardcoreという音楽のスタイルが有名になれば良いなとは思ってます。Hardcoreの中で自分達が1番有名になる、ということじゃなくても良くて、自分達が努力したり多くの人の目に触れる機会を少しでも増やして、そういった存在を世間に知られるきっかけを増やしていきたいと思っています。
タツノブ:Japanese Hiphopももともとアングラだったのが爆発的に広まっていったと思うので、例えばCrystal Lakeなんかはそういう事に繋がるような事が出来ているのかなと思います。
タカシ:Crystal Lakeも考え方や人間性みたいな部分は前から変わって無くて、バンドの努力の結果、やってる環境が変わっていっただけだと思うんです。
やっぱりHardcoreは絶対カッコイイと思うんですよ。特に若い子は知らないだけだと思うんです。
Hardcoreの音楽性、精神性にハマる人は絶対いるから触れる機会があるべき。それを作っていかなければと思います。
俺達が絶対にカッコイイと思ってるHardcoreに触れる機会を作って行きたいです。
今回のライブもそういう想いを形にできたらと思っています。
【バンド名の由来】
--バンド名の由来を教えて下さい。
ユウスケ:Straight Aheadの曲名からなんですが、オフィシャルリリースされてない曲ですね。
好きなバンドの曲名から取りたいなというのが一つと、後は「団結する」という意味が良かったので。
--Otusはいかがですか?
タカシ:Otusというのはフクロウの一種の学名みたいな感じなんですが、まず1語である事、自分のやりたいと思っていたダークな音楽性、暗闇のイメージにフクロウという動物の存在が頭の中にあって。そういったイメージに加えてフクロウは賢さとか知恵の象徴でもあるので。
Otusというあまり馴染みのない単語であることがミステリアスでもあり、自分たちの世界観を的確に表現できるバンド名だなと思って付けました。
ユウスケ:あとスタユナの由来なんですけど、Sからはじめたいというのがありました。
Sから始まるのに好きなバンドが多すぎるので。
Straight Ahead,Stop And Think,SSDなど。iTuneのSの所に並びたいなと思いました。
【お互いの存在】
--お互いのバンドはどんな存在ですか?
タツノブ:ブラザーバンド感がありますね。
みんな仲良いですし。毛色は違うけど東京で沢山いるバンドの中で一番近い存在です。
マキムラ:毛色が違うからこそ一緒にやれてて面白いなと思いますね。
だからこそ今回の企画もそれぞれの色が出てると思います。Youth Crewとかヘビーなバンドが入り混じって。
相互作用が出てくるような存在だと思います。
タカシ:僕はストレート・エッジ(以下SxE)なので、(スタユナは)今現在おそらく東京で唯一のSxEバンドだと思うので、音もスタイルも凄いリスペクトしています。
山口:この2バンドに関しては多分Insideっていうのが母体になってるんだろうね。
ユウスケ:やりだしたのもInsideが休止するタイミングでしたね。
元々オレとタカシのやりたい事は共通している部分もあったけど全然違う部分もあってね。
タカシ:そう、だったらお互いそれぞれより好きな方向に特化していきたいってなって
ユウスケ:お互いメンバー探してやりだせた時期が一緒でしたね。いろんなタイミングが同じで。
タカシ:根っこが一緒っていうのはありますね。普段から仲良くてライブハウスで会うと(Insideの)この三人はずーっと話してますね。
「あのバンドヤバイよね」とか。そういう話を延々としがちだよね。
--ツアーいく車とかでもそういう話が多いですか?
林:多いというか、もはやしない事が無いですね。笑
タカシ:あのバンドのメンバーが新しいバンド始めて、昨日Bandcampにデモが上がってて、みたいな話をずっとしてます。笑
林:前(SNSに)上げてたあのバンドどういう感じなの?とか。
--皆さんバンドを始める前から仲良かったんですか?
タツノブ:僕とマキムラ君くらいの世代だとInsideとか他のみんなが前にやってたバンドを普通に観に行ってたんで、みんなただのヒーローの集まりなんですよね。山さんなんて(Endzweckなんて)レジェンドですね。
そういう人達と一緒にやれてるっていう感覚は未だにありますね。
マキムラ:それはオレもありますね。
タカシ:最近ちょっとオレに対するリスペクトが感じられないけどね。
一同:笑
マキムラ:出し続けすぎても。笑
タカシ:スタユナ側には保ってるのに。笑
--同じバンド内ですからね。笑
【楽曲について】
--次は楽曲について聞きたいんですがまずスタユナはYouth Of Today(以下YOT)、Gorilla Biscuits(以下GB)、Minor Threat直系の音だなと感じましたが、そういった見方はいかがでしょうか?
ユウスケ:そうですね。YOTの"We Are Not In This Alone"は特に意識してるかもしれないです。基本そういう感じで今回の7"に入っている多くの曲を自分がメインで考えました。
ベンジー:ベースに関しては音作りも含めてこだわりがあって、他の人がやらないようなフレーズにしてますね。
特にステージでの出音は出来ればモニターに頼らないで中音で背中で感じたいなって思ってて、それを音源でも表現出来たらと思ってますね。
林:僕ももちろん88Youth Crew好きなんですけど、ドラムに関してはYOTというよりはもっと新しいバンド、例えばRighteous JamsとかMentalとかの質感を意識してます。
--なるほど00年代の感じなんですね。Otusに関してはNailsとかDisembodiedとかが核になってますか?
タカシ:そうですね。僕が始めた時にやろうと思ってたのがLeft For Dead、ChokeholdのVoがやってるCursedや、モダンな音でいえばThe CarrierやDeathwish Incのバンドのようなダークなスタイルに90's HCの要素を足したようなバンドなんです。
ダークでヘビー、だけどHardcoreの質感があるようなバンド。メタルコアではなく。
あとシラキュースのバンドの雰囲気を取り入れたいなと思っていて、そこはフレーズに出てると思いますね。
そういったスタイルを現代の音質でアップデートしたいって所はありますね。
--90's HCというとどの辺りでしょうか?
タカシ:Earth CrisisやUnbroken、初期StrifeやNew Age Recordsとか、Life Sentence Records、Lifeforce Recordsあたりのバンド等です。あとはAnother Victimとかもそうですね。
山口:ギターを1本でっているのはこだわり?
タカシ:そうですね。ベンジーさんと同じでベース側にジャマがいないほうがいいなって。笑
元々好きなバンドもRise And Fall(ベルギー)とかギター1本のバンドでかつヘビーなバンドも多いですね。
ギターが必ずしも2本必要とは思わないですね。2本あることイコールへビーだとは思わない。
曲に関してもそうで、ミュートしてズンズンやるのはOtusではそこまで無いんです。
それをやればヘビーみたいな感じがイヤで。一本の弦だけのリフでも、ミュートをつかわなくてもでもどこまでヘビーに出来るか?っていうのが自分の中の曲作りの課題としてありますね。ブレイクダウンするパートでも実はそんなにミュートしてないとか。
そういう自分しか分からないことかもしれないですけど、こだわって作っていますね。
--安易にミュートに行かないという事ですね。
タカシ:はい、あとはスタジオで録った後 で「コレあのバンドっぽいな」って思ったらそれは絶対ナシにしてます。
--スタユナもこだわりの様なモノはありますか?
ユウスケ:うーん。そこまで意識はしてなくて、単純にやりたい音楽をやる為に集まったメンバーでやってるので、その辺はOtusとは違うかも知れないですね。
--聞けば聞くほど正反対ですね。
ユウスケ:曲に関しては特にトレンドとかは気にしないで、本当にやりたい事をやっています。
強いて言えば、Youth Crew好きなんでそういうオリジナルの根っこの部分は出しつつ、ただのYouth Crewっていう感じにはしたく無いですね。
--歌詞が日本語という点がオリジナリティになっているかと思いますがいかがでしょうか?
ユウスケ:最初日本語で乗せるって考えた時に「どう考えても上手く行かないだろ」って思ってたんです、正直。
ただやってみたらキレイに乗ったんですね。
YOTとか聴いた時に分かりやすい言葉がポンポンと入ってくると理解しやすいし、気持ちも乗るんでそれを日本語でやりたいなと思ってました。
林:日本語でやるって聞いた時ビックリしました。
ユウスケ:Insideの時も日本語で、内容はポジティブなんだけど言葉の使い方はちょっと難しい言葉をチョイスしていたので、
そこは自分でやるなら変えたいなと思ってました。
タカシ:Insideでオレも歌詞を書いてましたが、あえて難しい言葉を使ったり、複雑な表現にしてましたね。
ユウスケ:そこをシンプルにしたかった。
--日本語でやるにあたって何かのバンドから影響を受けたということは無いですか?
ユウスケ:(影響は)無いですね。自然な感じで。
海外の友達と話す時に「バンド始めるんだ」っていうと「英語じゃないよな?」って言われたりしましたね。
やっぱり日本語でやるのが自然なのかと思います。
【作曲について】
--曲はサクっと出来る方ですか?
ユウスケ:スタジオ入る直前に出来ます。「曲作って行きます」っていってヤバイ 作ってないなって。笑
山口:ボツになってる曲も多いよね。5曲とか?
林:そうですね。かなり細かいところまで作り込んでいるのでボツも多くなりますね。
山口:でも変えたりもしてるよね。
ユウスケ:6曲目の「失われた尊厳」はかなり前から原型はあったんですがようやく形になったなという感じです。
スタジオで録音したらちょっと違うな、とかなりますね。
--Otusはどうでしょうか?
タカシ:オレがギターでひたすら作っています。そんなにハマることはないですね。
タツノブ:でもスタユナと同じで録ってみて
ユウスケ:あれ?ってなる。
タツノブ:そういう時も。
タカシ:今回の7"で苦労したのはリフとか曲のパーツは凄い思いつくんですけど全体としての構成が上手く行かなかったんです。
何かノレないので全部崩して再構成して。苦労したのかな、うん。3ヶ月くらい掛かって。
ユウスケ:えっ早くない?
--3ヶ月で5曲。カナリ早いと思います。
タカシ:なんか凄い新しいものを作りたくて。ドラムも新メンバーになったし。
タツノブ:今まで出来なかった事が出来るようにもなりましたしね。
タカシ:短期間で製作しましたが、その代わり練習は相当入りましたね。
--スタジオは週一ですか?
タカシ:最低週一ですね。レコーディング前はマキムラと2人で個人練と相当入ったよね。10回以上?2日に一回とかね。
マキムラ:あの期間はかなりスタジオに入りましたね~
タカシ:ちょっとケンカしたりしてね。笑
ユウスケ:オレら全然スタジオ入らなかったよね。
--そこも正反対ですね。笑
タカシ:才能あるからね。オレらと違うんだよ。笑
ユウスケ:スタジオで録って帰って聴いてみたら「あのバンドと全く一緒じゃん」ってなったり。
山口:(スタユナは)Voを全部取り直したよね。
ユウスケ:そうですね。レコーディングした日、調子が悪くて。一応全部頑張ったんですがやっぱり違うなと。
--自分の中で。
ユウスケ:そうですね。レーベルオーナーにも送って「いいね」とは言ってもらったんですが。
タカシ:でも取り直してきっと正解だ ったよね。全然迫力が違ったもん。
<part2へ続く...>