Otus / Stand United W release show interview part2
Dr : Yusuke Hayashi(林)
Vo : Yusuke Matsushima(ユウスケ)
Gt : Hirohisa Yamaguchi(山口)
Ba : Hiroyuki Nagasawa(ベンジー)
Ba: Takashi Kawamura(タカシ)
Gt: Tatsunobu Sakuraoka(タツノブ)
Vo: Satsuki Makimura(マキムラ)
(Dr: Tomohiro Sekino)(セキノ)
「今までそれぞれの場所やバンドで得てきた経験を次の世代に伝えたい。」
【歌詞とタイトルについて】
--Otusは歌詞をタカシ君が書いているんですか?
タカシ:そうですね。全ての曲の歌詞を書いています。
マキムラ:英歌詞化されたものをボクがもらって、ガレージバンドで録音してフィードバックもらって。そして二人でスタジオに入って、歌乗せを決めていきます。その流れを10回以上は繰り返して形にしていきました。
タカシ:2人で作ったね。英語の発音とかリズムとか。
歌乗せは楽曲の一環として考えてます。作曲の一部としてシビアにやってますね。
--歌詞を一緒に作る中で「これはどういう意味なの?」というようなやり取りもあるのでしょうか?
タカシ:歌詞の意味はメンバー全員に説明します。こういう状況で、こういう意味があって、と。
そこを理解して貰った上で演奏するようにしてますね。
意味が分かってない歌詞の曲を演奏しても意味が無いと思ってます。
考えは同じでなくても良いんですけど、自分が何をしているかは意識して演奏しないと
誰にも伝わらないと思うので、そこは意識してますね。
--歌詞の内容は実体験に基づいているのでしょうか?
タカシ:そうですね。実際にあった事、実際に自分が思っていることを一般的なレベルに噛み砕いて歌詞にしています。
--内容から"憎しみ"を感じましたが如何でしょうか?
タカシ:「憎しみ」というよりは「怒り」ですね。自分に対する苛立ちとか、憤りを言葉にしていて、ほとんど自分に対して言ってる歌詞なんです。
なので歌詞の中に出てくる「お前」というのはイコール自分なんです。
考えてみると、僕が影響を受けたHardcoreの歌詞も自分自身に問いかけるモノが多いような気がします。
--たしかに「お前」=自分であれば"憎しみ"とは違いますね
タカシ:自分に対して「お前はそれでいいのか?」「それじゃダメなんじゃないのか?」とか。
自分自身のネガティブな気持ちと対峙する、ちゃんと向き合うというトコロがあります。
マキムラ:前に「なんでNegative Hardcore名乗ってるの?」っていう話の時に出ましたね。その話題。
タカシ:もちろんポジティブな事を否定する訳では無いんです。
ただネガティブな事にキチンと向き合わないと本当のポジティブは生まれない。
それはどの歌詞にも反映されてます。根幹ですね。
タカシ:ネガティブな気持ちに目を背けてポジティブな事を言う人がいると思うんですけど、それは本当にポジティブなものではないと思います。
上っ面のポジティブは嘘だと思う。
自分はこんなにダメな人間で卑怯なところがあって、醜い感情を持って怒ったりする。そこを認めて、受け入れることが大事だと考えています。隠していても仕方無い。それに向き合っていかないと本当の意味で自分自身を見つめられないんじゃないかなと思って、そこに立ち返るということで自分のダークな部分にスポットを当てた歌詞を書いてます。
--タイトルが曲名になってますが、この曲名をチョイスした理由を教えて下さい。
ユウスケ:「此処に立つ理由」はOtusがBlindsideと良く話してるっていう内容と被るんですけど
・・・・・うん、難しいな。
タカシ:オレもそこは知らないから、知りたいな。
ユウスケ:うん、今までそれぞれの場所やバンドで得てきた経験があると思うんです。
で、それを次の世代に伝えたい。自分達は凄く恵まれた環境にいると思っているんです。
例えば海外のバンドは観たくても世代によっては観れなかったり。
自分らの時はAlliance Trax(以下AT)だったりいろんな人が日本の呼んでくれて。
そういう人達のおかげでライブ観れたり、一緒にやったり出来たので、そこで得たモノを伝えて行きたい。
そういう気持ちを歌詞にしたので、タイトルにもしました。
山口:若い世代の人には特にHardcoreの歌詞が教科書みたいになる場合があると思うんだよね。
そういうのを通してHardcoreに興味を持ってもらえたら凄く意味があるかなと思う。
タカシ:スタユナの歌詞はエッジソングでは無いよね。
ユウスケ:デモの最初のヤツだけかな。
--あえて書かないんですか?
ユウスケ:いや、作りたいですね。
あとこのタイトルにしたのは、こう言っちゃうと何ですが自分らもイイ年じゃないですか。
で、こう いうHardcoreって出来る時間が凄く限られたものだと思うので、この気持ちが燃え続けている限りはやって行きたいなと思ってます。
山口:人間性が歌詞になってくるよね。だからこの歌詞を読むとユウスケがどんな人間が分かるよね。
ユウスケ:それはプレッシャーですね。笑
--Otusはどうでしょうか?Overglazeは「重ね塗り」という意味だと思いますが。
タカシ:そうです。「重ね塗り」とか、陶器とかに「釉薬を塗る」という意味なんですが、それは人生に共通する部分があるなと思います。
たとえば土をこねて作った陶器に上薬を塗って焼いたら凄くキレイになるじゃないですか。
でもそれは表面上の事であって、中身はやっぱり土だし、その表面にまた上薬を掛ければまた違う色になる。
そういった外側の見た目の所に人は注目しがちなんですが、上薬を掛けた一層一層が自分だし、全部含めて自分自身だという事を忘れるな、という意味で自分に言っています。
--なるほど、失敗してもそれも自分、という事ですよね
タカシ:失敗を隠して外見だけを取り繕っても意味が無いと思います。
失敗も成功も、今までの経験全てが今の自分自身を作っている。
だから成功しても調子に乗るな、でも失敗しても全てが終わった訳じゃない、と思ってます。
--他の候補はありました?
マキムラ:ありましたっけ?
タカシ:いや無かったね。これを書いた時から決めていました。ちなみに、これはOtusの中で一番ポジティブな歌詞です。笑
【アートワークについて】
--アートワークはどういう方が作ってるのでしょうか?
ユウスケ:レイアウトはYOYO-TOMEさん(Bowlhead inc.)。ロゴはInside時代からロゴ書いてもらってる友達(アスカ)で写真はYAHMASO巨匠。
タカシ:Hardcore写真家。
ユウスケ:写真もらったときに「ああ、これ7"のジャケだな」って思いました。
タツノブ:この7"家で額縁に入ってますね。
林:裏の4人の写真もYAHMASOさんです。
ユウスケ:居酒屋の名前が日本感出てるね。
--これは新宿西口音楽館のライブの時ですか?
林:そうですね、Youth IssueとVariant Faceの共同企画の時ですね。
--Otusのアートワークはいかがでしょうか?
タカシ:結構・・・似てるんですけど、ロゴと後ろのフクロウの絵がアスカで。
レイアウトがYOYO-TOMEさん。
--ココまで同じですね。笑
タカシ:別にパクッた訳じゃないです。笑
キチンと考えた上で皆さんにお願いしています。
写真はタクマくんと、あとはYAHMASOさんですね。
林:額縁2個目。笑
タツノブ:あとレコーディングエンジニアも同じ人です。
一同:あー本当だ!
タツノブ:Hopeless DewのDEVUさんで場所もどちらも小岩ですね。スタジオは2TIMESとオルフェウスで違いますが。
タカシ:自分達の事を分かってくれてその方面で才能がある人ってなるとね。
--アスカさんはどんな方なのでしょうか?
ベンジー:僕、アスカと初対面はニュージャージーでLifetimeがHELL FESTに出れなくなった時に一緒に空港行ったよ。2004年ですね。めっちゃシャイで。
タカシ:全然喋んないですよね。笑
--その頃から海外にライブ観に行ってたんですね。
タカシ:アスカはちょくちょくいってますよね。2011年のSOUND & FURYの時に、Strifeの50枚限定の7"買って来てもらいました。
ユウスケ:ステージダイブとモッシュがとてもいけてます。
【お互いの作品について】
--お互いの作品に関してはどう思いましたか?
林:Otusはまだ僕しか聴いてないんですけど、単純に短い製作期間でよく作ったなっていうのがありましたね。
凄いなと。内容的には方向性がより定まった作品に感じました。
デモの時は結構楽曲に幅があったと思うんです、もちろんいい意味で。今作は曲が似てるとかじゃないんですが、より統一感がある仕上がりになってるなと。
--それを聞いていかがですか?
タツノブ:初期はクラスティな部分とか、The Carrierの2枚目みたいな雰囲気があったんですけど、そういった要素は薄れたかもしれないですね。ドラムがメンバーチェンジして得意な部分が変わって、ヘビーになってその方面を伸ばしていったのかな。
タカシ:あと単純にライブを沢山やっているので一体感が出たのかもしれないですね。
ただ曲単位で違う世界感があるので、似てるという事はないのかなと思います。
ユウスケ(林)は後任ドラムについてはどう?
林:そうだね、テクニックあるドラムだしOtusにハマってるなと思うよ。
僕がツーバス出来ないんでヘビーな部分が表現出来なかった所だから。
セキノは足の入れ方が上手くて、僕に足りなかったものを表現出来るようになってるなと。
偉そうなんですが、自分の後が誰になるのかって聞いた時はすごく安心しましたね。
--あいつなら大丈夫だと
林:本当、ドラムに関してだけは。笑
--私はセキノ氏を知らないのですが名前が出るとみんなちょっと笑う感じありますよね。
一同:笑
タカシ:そうですね。笑 ホント、ドラムはいいんだよね。
林:ドラム以外がね。笑
タカシ:性格も凄い良いんですよ。うん。でもそれ以外が。笑
一番Otusの歌詞に向き合った方が良いかもしれないです。笑
--スタユナの作品に関してはどうでしょうか?
マキムラ:自分はメタルやヘビーな音楽がルーツになっているので、Stand Unitedを初めて聴いたときから新鮮に感じてました。あと、日本語のハードコアバンド、ユースクルーのバンドそれぞれ個々の音は聴いた事があったんですがそれが一体化していたので。凄くカッコ良いなと思いました。
タカシ:ユースクルーとか知らない人でも「かっこいい」って思えるっていうのはあると思う。
タツノブ:それこそ結成からみてますが、正しくアップグレードされた感がありますね。
海外で2回ライブをやった事も関係してると思います。東京唯一のSxE。唯一無二のバンド。
タカシ:リズムとギターのリフが独特で開放弦が無いんですね。
ありきたりなコード進行ではない。今までのハードコアっぽく聴こえるんですけど全然やってる事は違う。
パっと聴いた 感じユースクルーをただアップデートした感じに聴こえるんですけどユニークなんですよね。
--それを聞いてどうでしょうか?
ユウスケ:4弦の開放が無いって所は本当にとらえてるなって思います。
ChampionとかHave Heartとか凄い開放弦使うので。
コード進行はYOT/GBには近いのかなと思ってます。
山口:・・・ただ開放が無いからジャンプが出来ない
一同:笑
タカシ:安易な方には行ってないよね。
--そこは2バンド共通してますね。
【Six Feet Underについて】
--レーベルがSix Feet Under Recordsですが、どんな経緯でリリースする事に?
タカシ:もともとInsideでレコード出してたんです。
ユウスケ:50 Lionsの来日でデイブ(Six Feet Under Records,Blacklisted)が帯同してたんですね。
タカシ:(50 LIONSは)オーストラリアのバンドなんですけどデイブはアメリカから来てて、Insideで大阪/名古屋と一緒にやりましたね。それでStriving HigherというVAにFoundation/Blacklisted/AWLGとかの中にInsideも入れてもらって。
ユウスケ:一番始めはAWLGの7"だよね。
ベンジー:そうだね。AWLGが一番初めにBlacklistedとツアーやってデイブと繋がったね。
デイブはThe Boilsっていうパンクバンドで来日していて、オレは観に行ってたんですよ。
だからデイブにその事はなしたら「おお!」ってなってたよ。
ユウスケ:スタユナに関してはBlacklistedの2回目の来日の時に一緒にやらせてもらって、ライブ後にデイブが「7"出さないか」って言われて。だから今日本は5バンド?
タカシ:そうですね。Inside、Palm、AWLG、スタユナ、Otus。
--デイブ氏はどんな人なのでしょうか?
タカシ:オタクでコレクター気質ですね。
ユウスケ:Judgeの「Chung King Can Suck It」、72枚しかないのも持ってる。
タカシ:色んなバンドのテストプレスを持ってますね。Misfitsとか。
あとRRLが凄い好きですね。
林:デニム好きなイメージあるね。
タカシ:家泊まった事あるけどデニム凄いよ。各サイズ10本ずつとかあって。倉庫みたい。
毎週メールしてるんですけど「日本のRRLのストアにアレがあるはずだから見てくれ」って言われて。笑
--で、見てきて
タカシ:「2万円だったよ」とかいって「NOT SO BAD」だとか言って。
ユウスケ:お使いは結構あるよね。
--他にはどのような?
ユウスケ:一番ハードだったのはユニクロですね。
SFUのストアにも一時期上がってたんですけど、ボア付きスウェットパンツがあって。
タカシ:ボディの仕入れをね。
ユウスケ:ボティっていうかもうユニクロだけどね。笑
15個欲しいって言われて。ボア付きなんでカゴに入れるだけで凄い事になって。
タカシ:オレは20本。ユウスケ君は店舗に買いに行ったんだよね。笑
オレはネットで。
自分たちはSFU TOKYO CREWって名前があるんですけど「これはSFU TOKYO CREWのミッションだ」とか言われて。笑
「ユニクロはWEEKENDにセールやるらしいから見て来てくれ」とか言って。
--なんで知ってるんだよっていう。笑
林:凄いよね。笑
タカシ:今度SFU TOKYO CREWの新作Tシャツが出来るみたいです。
前も1回作ってくれましたが。
林:僕が7"の裏ジャケで着てるヤツですね。
タカシ:さっきのコンピと一緒にいきなり送られて来ました。
ユウスケ:今回はちゃんとサイズ言わないとね。
タカシ:そう、で今回は日本でプリントする事になったんですよ。
アメリカの分はそこから発送する。
ユウスケ:あ、あとハードなお使いあった。
この前ディスクユニオンでJudgeのChung King~が出てたとき「アレあるはずだから見に行ってくれ」って。
45万円。このお使いは無いだろって。笑
タカシ:でも"アメリカでは70万くらい?で売れるから、そのディールでBlacklistedのジャパンツアー出来ると思ったから頼んだんだよ"って言ってて、ハンパないなソレって。笑
ユウスケ:その時、3人くらいからメール来たよ。
タカシ:やっぱ日本安いんだね。
--ではデイブ氏とは密な関係があって出るべくして出た感じですね。
タカシ:そうですね。オレもスニーカー買ってきてもらったり。一人の友達として楽しみながらやり取りしてます。
<part3へ続く...>