BRAVE OUT 「CHINA HARDCORE FESTIVAL 2019 report」Day.1


TEXT by Takasago(BRAVE OUT/Gt)

BRAVE OUTは10/19(土)に中国は成都(CHENGDU)で開催された、CHINA HARDCORE FESTIVAL(以後CNHC)に出演した。『チャイナハードコアフェス?そんなんあんの?なんでまた出演?てか中国にハードコアバンドおるん?』と皆、最初は思うだろう。順を追って説明しよう。

まず、CNHCは実は今年2019年で8回目と、結構昔から行われてるイベントである。主催はREAL DEALというハードコアレーベルと、BFCDというクリエイティブなクルーとの共済。

次に、出演に至った経緯については、スイスのユースクルーバンドSAFE STATEが大きく絡んでいる。彼らは2018年2月に来日し、大阪場所では僕らが企画を行った。彼らがまずCNHCに出演が決まり、流れで僕らに声をかけてくれた。半信半疑のまま、出演を承諾した。
しばらくして主催から、色々出演に関する案内がきた。まずは、出演に関する誓約書。いつも小さなライブハウスやスタジオでしかショウをしたことのない僕らが、誓約書にサインするようなイベントにでるとは。(笑)誓約書は全部中国語だが、スーパーバイリンガル、ヒデタ(BRAVE OUTのDr)が翻訳してくれた。反社会的なことを言うなとか、そういう内容らしい。
続いて、セットリストやらバンドのプロフィールやらを提出してくださいと。ここまではまぁ普通。
極めつけは、歌詞も提出してください。ただし、『F×CK』や『SH×T』みたいは単語は使わないでくださいと、主催からの注意添え。まじか!僕らはハードコアバンドなんでそういう歌詞使いまくり。ヒデタが機転を利かせ『F×CK』→『FUN』、『SH×T』→『THING』に置換して提出した。(笑)

そして、中国にハードコアバンドいるの?について。僕らも、ディグ不足もあり、中国のハードコアバンドについて全く知らなかった。CNHCについて、You Tubeやらinstagramで調べてもほんの少ししか出てきません。(ご存知の方も多いと思いますが、中国国内ではLINEやinstagram、You Tubeなどにアクセス制限がかかっています。VPNという裏道をつかってでしか、これらを利用することができない。)
CNHCのメンツが確定し、送られてきたフライヤーがこちら!中国各地区にハードコアバンドがいるようですね〜。

そして、有り難いことに僕らのためにAFTER SHOWも組んでくれました。

韓国のユースクルーバンドGEEKSは、昨年に引き続きCNHCに出演。ただ今年はAFTER SHOWのみの出演。ボーカルのキに確認したら、どうやら中国↔韓国間の政治的(?)事情でフェスには出れないみたい。。

何はともあれ、日が近づくに連れ、現実味が増してくる。僕らは2018年秋のインドネシアツアー、2019年春の韓国につづき、3回目の海外でのショウ。今回は想像できない部分が多すぎるけど、間違いなく貴重な経験になるはず。

[10/18(金)出発日]

出発当日。いつも通りギリギリに身支度を行う。ライブでは何を着ようか。お気に入りのYOUTH OF TODAY、TRUE COLORSのTシャツをリュックに詰め込み、家を出る。
フライトは20:30だがその前に、僕、吉川(BRAVE OUTのVo)、ヒデタの3人でスタジオに入り、最終調整。スタジオ後、仕事終わりの辻本(BRAVE OUTのBa)と合流し、日本を飛び立つ。
今回は、四川航空という割と評判の良い航空会社を利用しました。待ちに待った機内食は、鶏肉甘辛く炒めたやつと、魚のあんかけ。お好みで添乗員さんが、豆鼓をぶっかけてくれるところに、四川を少し感じた。サゴログ40点。
24時半に成都に到着。到着して即、ヒデタがオカンに借りた中国用SIMを失くす。(笑)
空港近くのホテルにチェックインし、翌日に備え即就寝。

[10/19(土)CNHC当日]

朝8時に起き、朝飯やー!内容は、おかゆ、ザーサイ、野菜炒め、パオ(肉まんの皮)などヘルシーめなかんじでした。
チェックアウトし、今晩泊まるホテルに向かう。移動はイベントの主催が、Uberを手配してくれる。成都ではタクシーよりも、このUberが安くて利用率が高い。3.40分移動しても50元(約750円)とかだ。
謎にオープンカーのUber、窓全開で移動する。正直なところ、思ってた以上に空気は汚かった。特にVoはマスク必須である。空港から成都の中心に向かい、ホテルにつく。そこでCNHC主催の一人であり、REAL DEAL RECORDSを運営するリヨウと合流する。

[REAL DEAL RECORDS bandcamp]
https://realdealbeijing.bandcamp.com/

リヨウは、7SECONDSのキャップに、“Love Music, Hate Fascism”と書かれたTシャツ、カモ柄ショーツと、欧米のハードコアキッズ直系の風貌だ。人見知りな僕らに、気さくに万遍なく話しかけてくれるナイスガイだ。

彼と最初の会話を交わす中で、特に印象的な事柄が2つあった。
1つ目は、今回のCNHCが成都で開催された点。前回の7回目までは北京の開催であったが、今年は成都に場所を変えた。理由は、10月はナショナルホリデーの月であり、北京ではライブなどのエンターテイメントをしてはいけないかららしい。北京はやはり政府の目が厳しく、成都は程よくチルな街で、居心地が良いらしい。余談だが、北京はとても物価が高く、北京に住める人は一部の裕福な層が中心みたい。
2つ目は、フライヤーはSNSの告知よりも、お店などに貼るのがメインである点。UBERや電子マネーなど、中国のほうがスマート化は進んでいるのに対し、告知はアナログである。面白い。

ホテルを出発し、会場へ向かう。会場はクリエイティブセンター的なスペースで、写真の通り綺麗でイケてるかんじだ。複数建物があるうち、一番大きなところが、CNHCの会場だ。
会場の外には、既に人が集まっているが、おしゃれなストリートファッションな若者が多い。基本皆本国バンドのTシャツを着ている人が多いが、MINOR THREATやBAD BRAINSなどのクラシックなハードコアのTシャツを着ている人もいる。さすが!LOYAL TO THE GRAVEの人もいた。
入り口に入ると、物販スペースがある。だいたいTシャツは100元(約1,500円)、CDは60元(約900円)くらい。サブカルチックな小物販売スペースもあり、卑猥なフォルムの水鉄砲も売っていた。
奥に入ると、演奏フロアだ。かなり広い!クラブチッタを気持ち小さくしたような感じだ。「でかいステージに立ちたい!」という僕個人の夢が叶いそうだ。(感激)

スタート時間30分押しくらいで、最初のバンドがスタート。ここからはライブレビュー形式でお送りします!

■NO WHY
記念すべきオープニングアクトは、ユース中のユース!まさかの10歳ちょいのキッズ!(笑)  ハードコアではないが、特別枠の出演。普通に僕よりギターうまかったです。

■BROKEN SHAFT(Lanzhou)
2000年代のモダンハードコアのアプローチである。演奏のクオリティが高い。ボーカルは少しハイトーン気味で、例えるならSHUT DOWNぽい感じがある。
話がそれるが、最前でアメリカ人のおじいちゃんが、非常にノリノリでイケてる。このパンクじいちゃんは有名らしく、ショウに必ず来るらしい。70歳で、BLACK FLAGなどリアルタイムで見てきた、レジェンド中のレジェンド。噂によると、毎晩酒に溺れているらしい(笑)

■SHOOT THE GUN(Chongqing)
こちらも骨太なハードコアバンドであるが、メロディがありCOMEBACK KIDを彷彿させるような感じ。BRIDGE NINE系。やはりこの手の音は万国共通ですね。

https://youtu.be/RM67g8MIPkI

■CORESO(Chengdu)
ffo:TERRORってかんじ。フロアもイベント序盤であるが盛り上がってきている。中国のモッシュピットは、Side To Side、田植えと言われるものがメインである。ただ、当たりは全く強くない。いわゆる回し蹴りスタイルのモッシュはあまり見かけない。あと、日本のハードコアシーンと明確に違うのは、サークルモッシュを頻繁にやる。ピットはファンな空気があって最高だ。

■FIGHTING BACK(Shanghai)
こちらのバンドはHARMS WAY, NO ZODIAC, XIBALBAのような、前述のバンドと比べると少しメタリック寄りになったサウンドだ。
珍しいドラムボーカルであるが、ドラムの勢いもボーカルの声量もライブ中に衰えない。スローなモッシュパートでは皆、フロアも地を這うように横モッシュ!

https://fightingbackhc.bandcamp.com/track/fog-city

■UNREGENERATE BLOOD(Beijing)
いよいよケアしてくれるリヨウがマイクを握るバンドだ。イベントも中盤で客入りもかなり多くなった。広い会場満員までにはいかないが、ざっと200人くらいだろうか。
個人的にはこのバンドのショウが1番熱かった!音楽性はDOWN TO NOTHING, LION HEARTって感じだろうか。キャッチーなコーラスワークが印象的で、チャイナハーコーキッズがステージダイブ!フィンガーポイント!シンガロングの嵐だ。そしてMCも印象的であった。『香港ハードコアプライド!おれたちは香港をサポートします!』に会場の皆も拳を突き上げる。まさに“Love Music, Hate Fascism”、リヨウのただならぬハードコアに対する信念を感じる。香港情勢もあり、規制が厳しくなる中でのCNHC。もしかしたら一歩間違えば警察に捕まる状況の中、表現の自由を訴える。彼らは少ない外の情報の中から、さらにニッチであるハードコアにたどり着き、感化されてきたのだ。
フロアのボルテージは最頂点に達する。なんと、血管煮沸状態に陥った最前のキッズたちが、ステージ前の柵をおもむろに横に移動させ始めた!まじか!(笑)
BREAK DOWN THE WALLされた空間の中、演奏は始まり、キッズは皆ステージに上がりシンガロングする。
圧巻の30分であった。本当に刺激を受けた。

https://realdealbeijing.bandcamp.com/album/still-young-still-angry

ここで1時間ほどインターバルを挟んだ。外に行くと、聞いたことある関西弁が、、、なんと痴漢シェフ、PALMのウィルがいるじゃないか!!痴漢シェフの中国ツアーが翌週あるらしく、前ノリしてきてるらしい(笑)まさかの再開を記念しての1枚。

■GAIWAER(Chengdu)
インターバルもおわり、地元バンドGAIWAERの登場だ。このバンドもTERRORインフルエンス下のサウンドだ。物販に売ってるディストロを見てもこの辺のバンドばかりであったため、みんな聞いてるんだろうねぇ。

https://gaiwaer.bandcamp.com/album/the-rise-of-chengdu

■BATTO0TH(Chongqing)
ツインボーカルのメタリックハードコア。ステージングもどちらかというとメタルコアっぽい印象であった。

■BIG FLIP(Chengdu)
■RETURN THE TRUTH(Beijing)
すいません。晩飯でこの2バンドは見れず。。

■WHAT A BEAUTIFUL DAY(Shenzhen)
セッティングをしてるのを舞台袖で見てると、カメラマンのナイスガイ、ハンターが話しかけてきた。『お前はメロディックハードコアが好きか?このバンドはいいぞ』とのこと。
空間がかったギターの音色、そして全身タイツを身にまとうメンバーなど、今日出てる中では異色の感じ。
演奏が始まる。イントロはすごくイーモウな感じだが、歌が始まるとハードコアである。AND PROTECTORがCBK寄りになったかんじ。歌詞も母国語で、独特である。

[https://realdealbeijing.bandcamp.com/album/what-a-beautiful-day]

■BRAVE OUT
時計の針は23:30、家庭持ちの吉川さんは普段寝てる時間である。(笑)
時間が遅くてもステージに立ち、セッティングをし大きな音を出すと皆気持ちが昂ぶる。吉川さんが英語で挨拶をし、1曲目は春に出したsplitより『Lives we've led』。正直僕らみたいなユースクルータイプのバンドが、ウケるのか不安であったが、そんな不安もすぐ飛んでいった。皆前に来て、ピットもムーブし、いい感じである。なかなか外タレが来ない国だからというのもあるのだろう。中国のキッズは本当に海外バンドに対して、オープンマインドである。
MCの時間になりヒデタにマイクを渡す。彼が英語を流暢に話せることは、日本のハードコアシーンでは知ってる人も多いが、実は中国語も話せるのだ。中国語でMCを行うと、拍手・歓声喝采である。目立ちがりやの僕からするとジェラシーである。続いて『Free』をプレイする。この曲後半にはスロウな糞キバりモッシュパートがあるので、そこで我目立たんとYOTポーセルばりに前に行く。すると、ギターのシールドが抜けた。凡ミスである。
カバーは盛り上がらなかったが、オリジナル曲でいい感じだったのが嬉しい。海外で演奏するたびに毎度思うが、音を通じて繋がる最高の時間であった。

■GEEKS(シークレット)
会場で噂にはなってたが、GEEKSがシークレットの登場。Voのキがいつもの如く煽るとキッズが最前に集まる。イントロからの『OPEN YOUR EYES』、新しいepから『MORE THAN EVER』をやると、凄まじいシンガロングが起こる。
いつも思うが、Bメロ・ブレイクにわかりやすいシンガロングをぶち込むドキャッチーな構成ながらも、クサくならない曲は天才的である。

■SAFE STATE(Switzerland)
深夜1時過ぎ。時間も時間で少しお客さんも減ってしまった。SAFE STATEは今12'に向けて新曲を作っているらしい。ライブは新曲もたくさんやっていた。独特のビート感とキメの多さにより、EUROユースクルーの風を感じた。彼らのツアーTシャツが可愛らしく、即GETした。

終演し、記念撮影をした。

長丁場で激疲れだが、刺激的な1日であった。

BRAVE OUTのライブ動画はこちらからチェック可能です!
https://video.h5.weibo.cn/1034:4429309017014768/4429317146493091

Day.2 へ続く





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