「WE MUST BE UNITED AS ONE」vol.3 亀谷氏(Nervous Light Of Sunday/Vo)インタビュー



2011.3.11東日本大震災発生からわずか9日でVol.1が開催されたベネフィットライブの第三回目。
インタビュアーKTGW氏(AND BELIEVE)の協力を頂きました。
開催の経緯や当時の心境、また現在に至るまでの流れを亀谷氏の
バックグラウンドやステートメントを交えて掘り下げたインタビューをどうぞ。

-このイベントに関するインタビューは初めて?

亀谷:そうですね。初です。基本ブログで後はMCで言うくらい。
サイレンス(SILENCE KILLS THE REVOLUTION)のファイナル前のWALLでミノル君がステージに上げてくれて告知させてもらったりしましたけど。

-初回はいつだっけ?

亀谷:3/20です。

-やろうと思ったのは震災の何日後?

亀谷:3~4日後くらいにはある程度決まってて。

-これは亀谷の個人企画?

亀谷:そうですね

-スピード感あるもんね

亀谷:全部が早かったですよ。ANTIKNOCKの関川とかは16くらいから知ってるから話やすかったですし。

-何繋がり?

亀谷:初めてあったのはAIR JAM98かな。それこそBRAHMANとかも出てて。
だからこの話する時も友達に電話する感じ。
で、俺すごいイライラしてたんですよ。不安だったし。
震災あった日、ここ(コズミック事務所)にいたんですけど、福島に子供がいるんで行こうとしたんですよ。
でも高速も通れなくて「マジか」って。
テレビとかツイッターはやたら見てたんですけど情報が一方的というか短絡的というか。震災直後は何もしないのが正義だってなってるように見えた。
「いや、そんな訳ないじゃん」って思ってイライラしてた。
でも夜中にそういう事を書き込むとイキナリ連絡くれる人とかもいて。
FIGHT IT OUTの岡部君とかINSIDEの海なんですけど。
なんとなく自分と認識が似てるなっていう人が周りにいるのが分かった。
何でもだけど止まるのは良くないと思ってた。アンチだってあの場所で家賃高いし、キャンセルでまくって。ホント店潰れると思って。

-思いつくのがメチャクチャ早いよね。

亀谷:とにかくやれる事がなかった。現地に行きたかったけど俺何の能力もないし、行く手段もなかった。

-出来る事がこれだったっていう事?

亀谷:思いつく頭があった事、アンチに親しい感じで話も出来る事、俺はバンドもやってる。
それで出来るって確信したんです。たまたま全部が揃ってた。
ここまで思いついてやらないのは罪悪感が生まれるんですよね。

-やるしかないなと

亀谷:そう。関川には「箱代無くして」っていったり「10人くらいしか入らないかもしれない」とか滅茶苦茶いって。
最初は関川に話してその後、海とか岡部君と話して「やろう!」ってなった。
LOYAL TO THE GRAVEも誘ったんですが仕事の関係で出れなくて。でもコバさんから長い留守電が入ってて。
「出れないけど全面的にサポートするよ!」って。当日も来てくれて
NUMB、AOWも連絡したらOKで。EDGE OF SPIRITとかどうなんだろう?と思って。
俺昔ショウさんのブログ読んでたんですよ。そしたら阪神大震災について書いてあった。
俺、誕生日なんです阪神大震災の日。あんま関係ないんですけど。
でもやたら記憶に残ってて、それ思い出して「出てくれんじゃないかな」って思って。電話して企画の内容話したら「ちょっと待ってね」って言われて「あ、うん・・・ああ、、、亀ちゃんOKだわ」って事前にメンバーに聞いていてくれたみたいでその場で決定して。やべー!カッコいい!って思った。
宇宙さんもENDZWECKが出れないってわかったらウチュジロウやってくれたり。
元WOBのコウジくんが当時なぜか入手困難だったもやしを調達してくれて。笑

そんな感じでメンツがどんどん凄くなっていって。でも告知する期間は3日しかなかった。
誰が来てくれるんだ?って思いましたよ。あの状況で。

-オレも結果的に行ったけど、確かにあの時は家族のことも考えると家にいた方が良いかな?とも思ったんだよね。。

亀谷:だから本当に10人位のライブになる可能性全然あったんですよ。
それでも何かを思えるだろうしアンチやバンドや止まってしまっているものを動かしたっていうのもあれば良いかなって。
自己満ですよね。でも指をくわえて何もしなかったという状況だけは避けたかった。
それは絶対後悔につながる。そうなるくらいだったら人少なくてもライブやろうって。
そう思ってたら200人入ったんですよ。普段がんばっても入らないのに笑

みんな協力が早かったんですよ。
TOMEさん(BOWL HEAD inc.)がTWITTERで「WE MUST BE UNITED AS ONE」ってUPしてたんで電話して「そのデザイン下さい」っていって。
「オッケー!」って感じだったと思うんですけど翌朝にはTシャツのデータ送ってくれたりして。
当日も来てくれて、自分のデザインしたTシャツなのにちゃんとお金出して買ってくれて。あ、ウチュジロウ一番最初に食べてました。笑
でも元々はタカシ(OTUS/INSIDE)が「あれTシャツにしたらやばいですね」って連絡くれて。あいつとかも出身が東北なんでアツかったですよね。
クリーブの土肥とかJUMBO君とかがUSTで配信しようとか。当日も機材もって来てくれたり足りない機材自腹で買ってきてくれたり。
もちろん「本当に大丈夫なの?」って不安がってる人達もいたけどね。

でもとにかくやり終わって、結構感動して。
俺は帰り際に来てくれた人に挨拶しなきゃマズいだろって思ったんで出口にいたんです。
でも俺が「ありがとうございました」っていう前に「ありがとね」って、全然知らない人が何人か言ってくれて。
もう、それは本当に感動したんですね。よかったね!とかじゃなくてお礼を言うって凄いなって思いました。それが一回目。

-お客さんの「ありがとう」っていうのはあの時の閉塞感って凄かったじゃん。だからそれを開けた事に対してっていうのもあったと思うんだよね。先陣切ってくれてありがとうって。

亀谷:でも当時の感覚から言えばこういう事をやるっていうのは叩かれる可能性もあったんですよね。
関わってくれた人もお客さんもアンチノックも含めて。リスクを負ってくれたんですよ。みんな。
アンチノックに関しては人件費とかハコ代あるんで金銭まで賭けてギャンブルしてくれたんですよね。
だからこの企画でかくしてアンチから飛び出そうなんて思わない。一番大事なのは筋。とにかく筋。

そんな感じでみんなリスク背負ってくれた。
俺がこの辺の人達が好きな理由はコレなんだろうな、って思いました。
普段は超適当に「あいつはクソだ」とか言うじゃないですか。でも実際のところ仲良いじゃないですか。

-本質的な繋がりがあっての悪ふざけのレイヤーがあるんだろうね。大変な事があって本質の部分が見えたのかなっていう。

亀谷:適当なことやってるようでね。普段堅いこと言ってる人の方が止まって状況を見るんですよね。
それはマイナスを食わないって意味では賢いのかもしれないけど、でもリスク負ってでも先陣切らないといけない場面ってあると思う。
だから俺は家族っていう理由があって。他の人たちにもそれぞれ理由があっただろうし。
その理由を全員に聞いたわけじゃないからわからないけど。
でも断言出来るのは判断能力があるっていうか、止まらなかった人達なんですよ。
他人の動き見ながら「あいつがやるなら俺もやる~」みたいな人は一切いなかった。そんな事してたらあの速度で決まらないしね。本当に心強かったです。
一人一人にアツく語ったりはしないですけど、凄い感謝してます。



-2回目の構想は?
亀谷:2011年の12月くらいから。
俺の企画は3月とかじゃなくて真夏とか、みんなの頭から抜けてる時にっていうのと思って。
震災の後少ししてGAUZE見に行ったんですけど「日本は絶対死にません」ってTシャツを作って曲をやっててすげえカッコよくて。もう感動ですよ。で、2回目どうするの?ってなったときにGAUZE呼びたい!って、あと説明の必要ないと思うけど、BRAHMAN呼びたい!って言って。だから、その段階でトシロウ君には話してたんですよ。
事務所いって企画の一回目の事と今後の構想を話したら「同じ方向を向いてるのは間違えないから、後はタイミング次第だな」って。
とりあえずBRAHMANが出れなくても2回目を俺はやりますんで3回目、4回目でタイミング会うときに出てくださいって話をしました。

一応面識はあったけどアンチを通してしてGAUZEには趣旨を話してお願いします!っていったら「いいよ」ってなって。超ビックリして。メンツも何も決まってなかったし。趣旨と行動を見てくれたんだと思う。俺がバンドやってるのも知らなかったと思う笑
GAUZEは月1本くらいしかライブやらなくて8月っていうすごいイイ時期のライブをこれにしてくれたんです。
だから最初に決まったのがGAUZEだった。ENDZWECKも前回出れなかったので声掛けて。
あとフライヤーは2回目からはエンダ君が書いてくれてて。家が茨城にあって亀裂が入ったり大変だったみたいですね。
GAUZEが凄い好きで「フライヤー書きたいな~」って言ってて実際書いてもらって。そういう楽しい事もありますよ。

-今回については?

亀谷:今回(VOL.3)実はBRAHMAN以外はみんな1回目に出てくれた面子なんですよ。
NUMBは去年出てもらったんで今回はでませんけど。
一緒にリスクに負ってくれた人達に今度はちゃんと準備した企画にまたでて欲しかったし、
お客さん一杯いる中でライブやって楽しんでもらいたいなって。そこでいいライブしてもらえればお客さんも上がるだろうし。

-今回は今までに集まったお金がどう使われたか分かる展示があるんだよね

亀谷:GAUZEの紹介で募金先であるユカリさんという方を紹介してもらいました。
子供達の為に色々やってる人で料理教室とか公園とか漫画教室とか親がいなくなっちゃった子の託児所とか。
凄い印象的だった事が2つあって、一つは音楽とかバンドとかで色々救われるじゃないですか。熱中出来るから。それを凄く理解してるなって思った。形は違うけど料理教室とか漫画教室で子供達がそういうの見つけられたらいいなって。
もう一つは、「親が亡くなった子を私は救う事は絶対に出来ない。ただ傍にいてあげるだけだよ。」っていう所が物凄く共感出来た。もう、まさにじゃないですか。

お金はそういう事に使って欲しいなって。
俺は仕事辞めて向こうでずっとボランティアをやるっていう度胸もない。
けど、ユカリさんは俺達みたいのが支援してくれるから活動出来るのよって言ってくれて俺もお金渡したいなと。
展示、凄いですよ。この企画の寄付のお金だけじゃないけどそれ使って公園が出来たり料理教室とか。
チケ代払った人がその公園行く機会があったら少しだけ誇らしい気持ちになってもらえたらいいなって思う。「俺も寄付したんだぜ」って。

-少しズレるけど原発に関しては?

亀谷:原発までになると話が広がりすぎちゃうから控えるけど
でも俺が思うのは被災地への支援と原発の是非は一緒に話さないほうがいいって思う。
原発推進派でも凄く被災地のこと心配してる人もいる。
それは理解して話さないといけないなと思う。思った場面が何度かあった。色々な考え方の人がいる。
あと原発は純粋に原発というシステムの話をするのと「あの対応をした東電が管理している原発」っていうのとでは推進派の人の意見はまた変わってくるように思う
話ずれるけど震災直後に凄く思ったのが、ずさんな管理がどうとか政治家がどうとかやる前に
困ってる人がいるんだからまずそっちに目をむけようよっていう。そうじゃないですか?あの状況で。
被災地のために政府もっと動いてよって話ならもちろん全然理解出来るけど、
それとは別の、テレビとかでただ誰が悪いか、みたいな話はあの局面ではどうかと思った。
二度とこういう事が起こらないようにって考えて原発反対運動してる人とかとはまるで質の違う、ただの怒りの矛先探しみたいな
もちろん早く責任の在り処を決めて早く支援や対応をっていうのが前提のものであればいいんだけど、そうじゃないものもあったように見えた
交通事故があって轢かれた人の心配するより前に運転手殴りにいってたら、おかしいじゃないですか。
(殴るのも)誰かがやらなきゃいけない事だとは思いますけど。

-来るお客さんにはどう感じて欲しい?

亀谷:来てくれる人に関しては俺は・・・いいと思うんですよね。これがベネフィットかどうかを必ずしも凄く意識してもらわなくても。もちろんそういう気持ちで来てくれる人がほとんどだと思うんですけど。
無理せず、みんなの利害が一致してみんながプラスになるのであれば。
東北の支援は出来て、アンチはドリンク一杯でて、お客さんはライブ楽しんで。
あとやっぱりベネフィットって言っても普段の企画のときにある気持ちと根本は一緒だから自分がかっこいいと思うバンド呼ばせてもらっていっぱいお客さん来て欲しいっていう気持ちだからシンプルにバンドが見たいっていう気持ちで来てくれる人はそれはそれで当然嬉しいです。
でもやっぱりこういう企画だからって来てくれてる人も沢山いるから、そこは本当に感謝してます。

前売りでチケット買った人が来れなくなったって連絡してくれたりするんですよ。
基本的に売ったものなんで返金はしない前提なんですけどコッソリ返しますって連絡してたんです。
でも全員が全員「いらない」って。「その分も募金しといてくれ」って。
じゃあなんで連絡してきてくれたのか?っていうと自分が行かないって事はその分スペースが空くから
別の人が入れるようになるでしょって。凄いなって思った。

お客さんじゃないけど周りもサポートしてくれますね。
8.10はATATA企画でCROW DORAGON TEAとかのライブ被ってるんですよね。
でもATATAの人は俺のツイート全部RTしてくれるんですよ。
裏では「お互いソールド目指そう!」とか言って。実際ソールドして。

北川さん率いるand believeのドラムのta96の企画も8.10秩父で企画被ってるのに、北川さん今こうやってインタビューしてくれてるし。

-やっぱり趣旨が伝わってるんだろうなと思う

亀谷:ベネフィットやるっていったら偽善者に思われたりする風潮はありますけどそれを踏み出してやってみたら良いことがあったなって俺は思えた。色々いい事しか起こってないです。
もしやりたいって思ってる人にはやってもらいたいなって思う。別に俺が言うことじゃないけど。
こういうのは、みんなが飽きる位あるといいなって思いますね。

なんだかんだ言って自分達はライブ出来て幸せですよ。
それ出来なくなっちゃった人もいるから。そこですよ結局は。

(2013.06.14 COSMIC NOTE事務所にて)

 

チケットは既にソールドアウトとなっているがライブ詳細は下記の通り。
--------------------------------------
2013年8月10日新宿アンチノック
18時オープン18時半スタート
チケット1000円で+2ドリンク

NERVOUS LIGHT OF SUNDAY
BRAHMAN
EDGE OF SPIRIT
FIGHT IT OUT
A.O.W
--------------------------------------

 





<関連記事>