AND BELIEVE “TWILIGHT SLEEP” release interview




photo by Saki Matsumura

MOSH-D:Vo
ILLY:Gt
KTGW:Ba
TA96:Dr

─まずは新音源完成おめでとうございます。直球なんですが、どんな作品になったとご本人達は思いますか?

KTGW:内容はカナリ良く出来たと思う。聞く人にも寄るかもしれないけど1st albumからの延長線上にあるモノ。

ILLY:妥協したわけじゃないけど。満足はしてない。多分どんなものを作っても満足しないと思うな。
あと個人的には次の方向性を探る足場作りにもなった。

KTGW:これが作れたから、次はもっと凄いの作りたいなと思える作品。また何か変わる気がする。

ILLY:山中(ATTIC studio/CLEAVE)にマスタリングしてもらって凄い良くなったね。

KTGW:やっぱりプロだからね。全然変わったよね。

MOSH-D:まあでも、音質は関係なく楽曲、曲自体がヤバイものにはなってるよ。

─フォーマットは最初からCDと考えていたのでしょうか?

KTGW:フリーのストリーミングとかも考えたけど、モノとして残した方が色々な人の中にも残るんじゃないかなと。

─NO LONGER RECからカセット版がリリースされていますよね

KTGW:クリス(YOUTH ISSUE)がやりたいですって言ってくれたんだよね。
俺の手元にはまだ来てないけど画像で見ると凄い良く出来てると思う。

 

─JKT凄いカッコイイいと思いました。どのようなコンセプトで作成されたのでしょうか?

TA96:これは完全にこの3曲のイメージです。
1曲目がTWILIGHT SLEEPって曲で。「TWILIGHT」は朝焼け、
「TWILIGHT SLEEP」で無痛分娩の麻酔が切れかかったフワフワした状態の事。
あと「DAWN」も朝焼けという意味があるんです。
オレ、今年子供が生まれたんですけど、子供中心の生活になって色々と思う所があって。
子供の事を想って重層的に想いを重ねた歌詞でもあります。
今回の作品が良かったのはアートワークと曲・歌詞を含めて全部一緒に出来た所ですね。

KTGW:朝方に思う事を歌詞にしてるね。「また今日もやっちゃた・・・」っていう。
結構そういう時に書いた言葉がネタになってます。

TA96:3曲目がWATER FALL。水が落ちる、滝という意味。そういうイメージを総括してあのJKTに。
だから日の出なんですよね。ABが太陽で乾ききった大地からクジラが出てくる。

─ちゃんと意味がある

TA96:そう。ⅡのJKTも手錠を外しているトコロにABロゴがあって、自由を表している所にAND BELIEVEを配置してます。

 

─楽曲としてはどのようなイメージで作成されたのでしょうか?

TA96:どんなハードな曲でもキャッチーな部分が欲しいなと。取っ掛かりは欲しい。

ILLY:叙情性って事?

TA96:いや、キャッチーさ。例えばJAPANEASE HCでもキャッチーなリフとかあると思うんで。
(ABは)叙情さもあるんだけどね。あとはもう、こういう曲があったら良いなっていう。

─個人的に1曲目のイントロでは"スローモーションでどこかの田舎街を電車から眺めてる"情景が浮かんできました。

KTGW:秩父じゃん。笑

TA96:伝わったんですかね。笑
音楽作る上で何かを軸にしなくちゃいけないと思うんですよ。
オレは音楽的なバックグラウンドとかモノ凄い深い訳じゃないんですね。
だから普段の生活が軸になってるんです。そういうものが電車の情景だったり
焦燥感のようなものとして伝わったのであれば嬉しいですね。

音楽詳しい人って本当凄いじゃないですか。俺は音楽マニアになる必要は無いかなって思ってます。

ILLY:好きな時に聞いて好きなように広げれば良いと思う。

MOSH-D:でも音楽欲はあるけどね。

TA96:それはあるけど、オタクにはなりたくない。まあ、なれないんですよ。田舎だから。笑
ライブもすぐ行ける訳じゃないし。

KTGW:インターネットで知った気になれたりもするけどね。

ILLY:俺らみたいな音楽は生で感じる事が重要だと思う。

─2013.8.10 at.秩父での企画はいかがでしたか?

TA96:今まで見た事が無い人達が来てくれましたね。そこの壁を崩したくて10年やってやっと出来た事ですね。

KTGW:ビックリするくらい良いハコなんだよね

ILLY:機材も良かった

TA96:店長がHOCKLE HOCKってバンドをずっとやってて地元にライブハウスを自分たちで作って
出来てから4年になるんですけど。そうやって踏ん張ってる人がいるしオレも自分のバンドがあるんでやりたいなと思いました。

─楽曲を作る上でMOSHパートを意識していないで作っているとの事ですが、その辺りはいかがでしょうか?

KTGW:個人的にはMOSHピット周りにいない人がMOSHパート作っても良いの出来ないでしょっていう。
自分はいないから作ってもウソになるとふと思ったことがあって。

ILLY:と言うか、オレはMOSHパートってのが分かんないんだよね。

MOSH-D:オレも。カナリ適当。シンガロングは分かるんだけど。

TA96:まあ、踊りやすいBPMでここ8ビートにすればMOSHパートになるな、っていうのは分かるけど
それを前提に曲作りはしてないかな。

ILLY:逆にそれを意識して曲作る方法があるんだ、って思う。

KTGW:YOUTH CREW HCにおいては重要なモノだと思うよ。

─この曲はココのパートに賭けるっていうのはあると思います

KTGW:素晴らしい要素だと思う。だからこそ(ピットにいない)オレがやっちゃいけないと思う。

TA96:無意識的にそこに至るのであれば良いんじゃないかなと。

MOSH-D:モッシュは自然発生が一番カッコイイ

─自然発生が良いという点は以前から一環してますよね。
 今作には本人達は意識はしてないかもしれないのですが、MOSHしたいなっていうパートがあります。
 それは従来のOLD SCHOOL/YOUTHCREWの伝統的なモノとは違う切り口から成り立ってるように感じます。
 具体的には1曲目「Twilight Sleep」の"一瞬の永遠"という歌詞の前の部分です。
 引き摺り方、タメ方などは意識的に作ってるのでしょうか?

KTGW:個人的には分かりやすいパートかなと。

MOSH-D:好きなパートだね。トレーラーにも入ってるし。

TA96:MODERN LIFE IS WARを意識してますね。

─2ndの"Damaging Eachother"も"その群れを喰う"の辺りでこれに通じるパートがあると感じました。

MOSH-D:確かにね。Damaging~に関してはBAD BRAINSの緊張感をイメージしてるね。

ILLY:Damaging~はイントロがHARD ROCKみたいだねって言われてオレが作ったと思われる事が多くて。
だけど俺の中のHARD ROCKの定義とは全然違うんだよね。笑

MOSH-D:TA96があの曲持ってきた時は「コレだ!」って思ったね。当時のやりたい事とバッチリ合ってた。
イリが作ったのは"FAKE ANSWER"だね。

ILLY:スタジオで適当に弾いてらたTA96が合わせてきて。

KTGW:自然に出来た感じだよね。今回の3曲もそうだけど。

MOSH-D:"Damaging~"があって、焦らすパートみたいなのは自然と作るようになったのかもしれないね。

TA96:エッセンスとして確立出来てたのかな。

─歌詞について以前より少し抽象的になったイメージですがいかがでしょうか?

TA96:抽象的でも何言ってるか分からない歌詞にはしたくなかったですね。

MOSH-D:オレ洋楽ずっと聞いてて、最近はそうでもないのかもしれないんだけど昔はヒドイ訳の時があって。
でもそれがすごい抽象的で面白いなって感じる事があった。
英語の意味をこのまま日本語で歌ったら面白いんじゃないか?っていうのは思ってて。

ILLY:それ凄い分かる。あるよねヒドイ訳。XXXXXXXとかさ。
あと歌詞で思うのはさ、HCとかPUNKって怒りじゃん。
でも俺ら位の年になると、もう幼稚な怒りとかを歌詞にしたりしないよね。
もう怒ってのは当り前。怒りや矛盾は持ってて当り前。だから
そこからもっと問題を深く見るのか、それともパーティーな方に行くのか。

MOSH-D:パーティーは逆説的にとらえる事もできるよね
ヤバい状況なのにパーティーやってるっていうのがヤバいっていう。

ILLY:多分BLUESとかもそうじゃない?今日も奴隷で綿畑でクソ暑い中こき使われて。
だけど仕事終わりにBARに行って素敵なお前に会えて嬉しいぜっていうだけの歌詞を作る訳じゃん。
そこには「なんでオレは奴隷なんだ」っていう怒りは表現としては無くてさ。

MOSH-D:不景気な時の方が愉快な曲が流行るからね。
人間の本質としてあるんだろうね。辛い時に辛い事言ったって仕方ないってのが。

KTGW:歌詞に関係してるかは分からないけど、伝わってるなと思って嬉しかったのは1st出した位の時に
ニガラ(PAYBACK BOYS)に「AND BELIEVEは現実に対してのヘイト感がすごい」って言われた事があった。
色々と抱えてるモノとかが伝わったのかなって。

TA96:でも最近はヘイト感だけじゃないと思う。喜怒哀楽が混然一体となった芯をとらえたモノを出したい。

ILLY:あとは持続性のある想いなのかっていうのもあるよね。
場合によっては5年後に聞いたら恥ずかしくなっちゃう場合もあると思うから。

TA96:ABで昔の曲をやってるけどそれは無いかな。

MOSH-D:それはちゃんと考えてる証拠なんだよ。

TA96:リフが若いな、とかはありますけど。笑

 

─ライブで重要な事はどんな事だと思いますか?

ILLY:聞いちゃう?それ話すと長くなるよ?

─是非お願いします!

ILLY:まず、クオリティだよね。HCらしからぬ発言かもしれないけどオレがカッコイイと思うバンドはみんな演奏上手い。
要するに全然知らない人が見て、この人達の音楽性は良く分からないけど凄い、お金取っていいレベルだし
見れて良かったって思うかどうかね。
あとは、上手い下手関係なしの現場でのライブ感。●●●●の4バンドはみんなあると思う。
あとメンバー全員がナルシストである事。良い意味で見世物じゃないとダメだと思うんだよね。
良い意味でのプロ意識。それは別に作られたモノでも良いと思う。エンターテイメントとして見れれば。
ただ、それを狙ってやるとダメになると思う。1982 CBGBでのBAD BRAINSのライブあるじゃん。
あれは狙ってやって無いと思うんだよ。
フラッと見に来た人が圧倒される時あるじゃん、それは才能とかじゃない、バンドのケミストリーで出せると思う。
なんで自分で出来ないんだろう?なんで音楽やってるんだろう?っていうのを見つめ直すっていうのが大事だと思うよ。

あと、これは前に北川さんにグダグダ言った事もあるんだけど、技術的に上手い下手は関係無く
ソイツがステージでギター持った時に映えるか?映えないか?っていう所。佇まいがね。
見た目冴えないヤツでもいざステージ立ったらピカイチ!ってヤツいるじゃん。そういうのが大事だと思う。

あとバンドとして大事なのはグルーブ感だと思う。
イギリスのウェンブリースタジアムで5万人の前、たったワンコードで8ビートで演奏してるだけなのに
客が全員ノるっていうのは、ただ単に有名バンドだからじゃなくてケミストリーがグルーブが完璧に出てるからなんだよ。
オレはそういうのを意識してて、家でギター弾いてる時は5万人の観客の前で弾いてるつもりでやってる。

まだまだあるんだけど短くまとめるとこういう感じ。

KTGW:イリの話はライブやる前の話だと思うんだけど、ライブ中は世界観をフロアの中に充満させたい。
それは昔から必ず思ってて、WALLで企画やってたのはあそこ逃げ場ないじゃん?
だからドリンクカウンターのトコロまで満たしたいっていう気持ちでやってるんだよね。

─ステージダイブ・シングアロングなどお客さんの事が出てこないっていうのが面白いなと思いました。

KTGW:そういうライブは好きだよ。

ILLY:AND BELIEVEは内面的だって良く言われる。

TA96:それは結局さっき川ちゃんが言った自然発生モッシュが起こって~という所に帰するんじゃないかな。

ILLY:煽るタイプではないからね

KTGW:そうだね。自分たちの思ってる事をライブハウスの隅まで届けるから、刺さった人は来てくれればいいなって。

 

─現在聞いている音楽は?

MOSH-D:JAJOUKA。あとライブで良く見るのはCOMMUNICATESとSQUARE THE CIRCLEかな。 あとは、ばちかぶり。

KTGW:最近のプレイリストはダウンチューニングものが多いんだけど、ELMOはヤバいね。やってる人に闇を感じる。
で、TRAGIC FILM、YOUNG LIZARDって聞いてる。国内のバンドが多いです。あとはCATHEDRALとFULL OF HELLかな。

ILLY:最近はロイネ・ストルトってギタリストが大好きで。元々70年代スウェーデンのカイパってプログレバンド
だったりフラワーキングやってたんだけど。昔っから好きだったんだけど最近良く聞いてるね。
相変わらずバカみたいにマイケル・シェンカーも聞いてるけど。
あと、強いて言いたいのは、茶化しとかじゃなくてマジだよ?
2013年本当に感動したのがJ-BOYZなんだよね。
カッコつけないよね。元気もらったよ。あと同じJで言えばJUDGEMENT。Judas Priest。〆は寝る前にJEFF BECK。

TA96:TITLE FIGHT好きですね。電車とかで意識的に聞こうとするのはONE LAST WISH。DC絡みが最近アツいなと。

ILLY:後ニールヤングでしょ。笑

TA96:そうそう!あとBOB DYLANも最高。

 

─音源を聞いてくれる方にはどう感じて欲しい等ありますか?

KTGW:限定する気は無いんだけど個人的にはどんより朝方に迎えちゃった人に聞いてもらいたい。
"朝になっちゃった、どうしようオレ"って思ってる人達に。
あとは歌詞通り。混沌としてるじゃないですか今。色々な事に疑心暗鬼だったり、差別意識を持ってる人がいたり。
そういうの一回考えろよって。
自分たちの生活に落ちてきてるモノっていうのは、いろんなものを通り過ぎた後の残りカスみたいなモノなんだよ。
っていう所が伝わると良いなと思う。

MOSH-D:俺は夜明けのBGMとして聞いて欲しいかな。その時に歌詞が入ってきてくれれば。それは今回の音源に限らないけどね。

TA96:何かその人にとってトゲになればいいなって。
100%じゃなくても良いから少しでも引っ掛かる部分があれば嬉しいですね。

ILLY:一人でも多くの人に聞いてもらいたいとかは無いね。
音楽好きって勝手に掘るじゃん。そうやって辿りついた人が対象。
とは言っても捻くれてる訳じゃなくって、こういう音楽が本当に好きな人に聞いてもらいたいという意味です。
"土日に訳のわかんない合コン行ってる場合じゃねえよ!●●●●行こう!" みたいに。
ライブに来てもらえるようなキッカケになってくれたらと思いますね。

 

─今後の予定は?

KTGW:12/15に中野MOON STEPでレコ発やります。あとLOW VISIONとツアー行きたいですね。

ILLY:クオリティ高いバンドを目ざすだけかな。

KTGW:毎回出すたびに"コレでもう出来なくなるかもしれない"、"コレで死ぬかもしれない"っていう気持ちでやりたいなと。

 

─最後に一言ありますか?

KTGW:手元に残しておいて損はしないモノになってると思うので手にとってもらえたら嬉しいです。

(2013.09.08 at.新宿 某居酒屋ランチタイム)






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